抗炎症食品を食べれば健康になれる?

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食べ物には、炎症性食品と、炎症を抑える食品があるという。

 

炎症とは、身体にバイ菌や異物、ウイルスなどが侵入したときに、発熱したり腫れたりする現象で、血液中の様々な白血球や免疫グロブリンが侵入者と闘っている状態だ。

 

炎症自体は肉体の防御作用で必要なのだが、この炎症が常態化して慢性炎症になると、不調の原因になる。

 

慢性炎症では、「必要が無いのに、炎症が続いている」わけなので、すこぶる気分が悪い。

 

そしてこの慢性炎症は近年、多くの慢性病に関係があることが分かって来た。

 

さらに食生活によって慢性炎症がひどくなったり、軽くなったりするということが分かって来たのだ。


慢性病に共通する慢性炎症とは

慢性炎症とは、緩やかな炎症がずっと続く症状だ。

 

感染症やケガなどの場合は、高熱が出たり、激しい炎症や腫れが起こり、そこでバイ菌やウイルスと白血球や免疫グロブリンが激しく闘う。

 

その結果、身体のあちこちにダメージ(損傷)が生じる。

 

ただこれは緊急事態だから許されることで、一時的なダメージは、その後に回復すれば良い。

 

ところがこの一過性のハズの炎症反応が一過性で終わらず、肉体にダメージを与え続けるのが慢性炎症だ。

 

そして肥満や糖尿病などの多くの生活習慣病には、この慢性炎症が共通して起こっているのだという。

 

逆に言うと、この慢性炎症こそが、我々の身体の臓器を少しずつ傷めている要因なのかもしれない。

 

もし仮に、生活習慣病やガンといった非感染性疾患(non-communicable disease: NCD)が、慢性炎症で悪化するのであれば大変だ。

 

体内炎症を酷くする食品や、逆に体内炎症を抑える食べ物が、我々の健康を左右しているのかも知れないと思うと、これは研究しておくテーマではあるね。

 

因みに炎症については、次の動画が参考になる。

 

炎症とは

 

簡単にまとめると、最近やウイルスなどの異物が身体に侵入したら、炎症性サイトカインヒスタミンロイコトリエンなどと言った物質が放出される。

 

これらの物質を受け取ると、周囲の組織の血管拡張が起こり、血流が増える。

 

このとき組織は赤くなり(発赤)、熱が出る(熱感)。

 

さらに血管の透過性亢進が起こり、血管の隙間から様々な物質や白血球が集まってきて、膨らみ(膨張)、痛む(疼痛)。

太ると内臓脂肪が慢性炎症を起こしてリスクが高まる?

慢性炎症 肥満が身体に悪い理由と炎症を抑える食べ物とは。

肥満は、生活習慣病などの慢性病に大きなリスクがあるという。

 

いわゆる「メタボリックシンドローム」と呼ばれるヤツだが、内臓肥満は動脈硬化や2型糖尿病の大きなリスク要因だという。

 

これが慢性炎症に大きく関係があるらしい。

 

というのも内臓脂肪組織が肥満化すると、B細胞から分泌される抗炎症性サイトカインIL-10が減り、組織内で炎症が起こりやすくなる状態になるという。

 

そして炎症が起こると脂肪が分解され、遊離脂肪酸(パルミチン酸)や炎症性サイトカインが血中に放出される。

 

このパルミチン酸は膵臓のβ細胞にダメージを与えて、インスリン抵抗性を高め、2型糖尿病のリスクを高めるという。

 

また炎症性サイトカインは、血管を炎症しやすくして、動脈硬化リスクを高めるという。

 

さらに、太ると動脈硬化を抑えるアディポネクチンの分泌も減るため、ダブルパンチだ。

 

こうなると、是が非でも痩せないといけない感じやね。

 

参考

炎症性食品は、心疾患リスクを高める

アメリカの心臓病学会によると、1986年からスタートした看護師や医療関係者の食生活と疾病に関する疫学調査を分析したところ、次のようなことが分かったという。

 

「炎症性食品」をたくさん摂ったグループは、野菜などの「抗炎症性食品」を多く摂っていたグループと比べると、心臓病のリスクが46%高く、脳卒中のリスクも28%高かったという。

 

炎症性食品としてピックアップされたのは、赤肉(牛肉・豚肉・羊肉など)や加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)、加糖飲料(ソーダ含む)、精製穀物、揚げ物など。

 

抗炎症作用があるとピックアップされた食品は、

  • ケール、ホウレンソウ、キャベツ、ルッコラなどの緑の葉物野菜
  • カボチャ、黄ピーマン、豆、ニンジンなどの黄色野菜
  • 全粒穀物
  • コーヒーや茶

だった。

 

これらは「抗酸化作用」があり、食物繊維が多い食品だという。

 

参考:炎症を促進する食品を多く含む食事で心血管疾患リスクが上昇

日本の抗炎症食品の色々

アメリカの疫学調査では、緑黄色野菜(葉野菜や黄色い野菜、豆)、未精製の穀物、コーヒーやお茶などが、抗炎症食品としてピックアップされていた。

 

ただこれはアメリカの食品の話で、日本の抗炎症食品とはどのようなものになるのか。

 

タイプでまとめると、

  • 抗炎症作用をもつ食品
  • 良質の油(オリーブオイル、オメガ3、EPAなど)
  • 抗酸化作用を持つ食品
  • ポリフェノールを多く含む食品
  • 食物繊維を多く含み、腸内環境を整える食品
  • ビタミン・ミネラルを多く含む食品

ということになるらしい。

 

具体的に言うと、次のようになる。

 

生姜、ウコン、蜂蜜、ニンニク、アスパラガスなどの抗炎症作用のある食品。

 

ホウレンソウや小松菜などの緑色の葉物野菜、ブロッコリー。

 

人参やカボチャなどの黄色野菜。

 

ブルーベリー、ザクロ、グレープフルーツなどの果物。

 

アーモンド、ピスタチオ、クルミ、黒豆などのナッツ類。

 

アボカドやオリーブオイル、ココナッツオイル、魚油などの油。

 

キノコ類、昆布やワカメなどの海藻。

 

サーモンや銀ダラなどの魚。

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