血液中には、20~30分活動できるだけのブドウ糖が流れている
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糖質(炭水化物)を食べると、小腸でブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)に分解され、吸収されて血液中に入る。
血液中に入ったブドウ糖や果糖は、一定量が血液中に留まり、身体の隅々の細胞に吸収されて、エネルギー源として使われる。
脳のエネルギー源はブドウ糖なのだが、人間が20~30分ほど活動できる分のブドウ糖が常に血液中に流れているということらしい。
このブドウ糖や果糖はタンパク質と結びついて、糖化反応タンパクを作り、タンパク質を変質させる。
糖化反応タンパクは最終的に、茶色いAGEs(最終糖化反応産物)になって、全身で動脈硬化の一因となり、心筋梗塞や脳梗塞・脳卒中の原因となる。
また目の網膜や腎臓の毛細血管にも作用して、白内障や腎障害の原因にもなる。
肌を作っているコラーゲンもタンパク質で、コラーゲンに糖化反応が起こるとシミやそばかすの原因になり、肌の張りや弾力が無くなる。
また骨はコラーゲンとリン酸カルシウムで出来ているので、骨のコラーゲンに糖化反応が起こると骨がもろくなってしまう。
肌の張りや弾力が無くなり、骨がもろくなり、シミやそばかすが増え、肌が茶色くなるのは、まさに老化である。
つまり糖化反応というのは、老化現象でもあるのだ。
糖質を控えれば、若返りも可能?
血液中のブドウ糖や果糖がタンパク質と結びつく糖化反応。
この糖化反応は酵素が媒介する反応ではないので、爆発的には反応せず、ジワジワ進む。
そしてこれは不可逆反応、つまり元には戻らない反応なので、タンパク質がいったん糖化反応されると、そのタンパク質の寿命が尽きるまで糖化反応されたままになる。
たとえば赤血球中にあるヘモグロビンにブドウ糖が結びつくと糖化反応ヘモグロビンができるが、赤血球の寿命は120日ほどなので、その間はずっと糖化反応物が体内を巡ることになる。
つまり新しくタンパク質が作り替えられるまで、糖化反応タンパクは糖化反応されたままになり、茶色いAGEs(最終糖化反応産物)がドンドン溜まっていくということになるわけだ。
糖化反応タンパクが出来る量は、血液中のブドウ糖濃度に比例するので、血糖値が高い状態が続けば続くほど、体の中に糖化反応物がたくさん出来ることになる。
つまり糖質・炭水化物をたくさん食べている人ほど、心筋梗塞や脳卒中、白内障や腎障害になりやすく、老化が進むスピードも速くなるって事だ。
ということは逆に考えると、糖質制限すると若返りを狙えるということでもある。
肌の張りのなさや骨のもろさがコラーゲンの糖化反応であるとすれば、コラーゲンの糖化反応を減らせれば、それだけ若返ることになる。
ただしコラーゲンの寿命は6ヶ月と非常に長いので、糖質制限ですぐには結果が出るようなことではないが。