ケトン体は、心臓や筋肉を動かすエネルギー

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断食や、糖質制限ダイエットを始めると、呼吸や身体が臭くなる。

 

オシッコや口臭がリンゴっぽい、甘酸っぱいような臭いになったら、原因は脂肪を燃やしたときにでる、ケトン体(アセト酢酸・アセトン)である

 

というのも今まで山ほど食べていた炭水化物(糖質)の量が大きく減ると、その分、エネルギー不足に陥るので、身体は身体に蓄えている脂肪をエネルギー源にする。

 

身体に蓄えられているブドウ糖は約半日分しかないので、1日断食すれば、アセトンの臭いが出てくることになる。

 

その過程を具体的に言うと、脂肪を肝臓で分解して、グリセロール脂肪酸というモノに作り替える。

 

グリセロールからはブドウ糖(グルコース)を作り、脂肪酸からはケトン体という燃料を作る

 

ケトン体とは、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、そしてアセトンの3つなのだが、昔のマニキュアの除光液や、プラスティック接着剤のような匂いがする。

 

このケトン体が血液中にたくさん増えると、尿や汗にアセト酢酸が出てきたり、呼吸を通じてアセトンが排出されるので臭うのだ。

 

しかし実はこのケトン体は、我々の心臓や筋肉のエネルギー源である。

 

内臓にはそれぞれ、主に使うエネルギー源というのが決まっていて、たとえば脳はブドウ糖(グルコース)があれば、それを先に使う。

 

血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が下がって足りなくなると、肝臓で脂肪を分解して作られたアセチル酢酸(ケトン体)を取り込んでエネルギー源として使い始めるのだ。

 

逆に、心臓の筋肉(心筋)はブドウ糖より脂肪酸(ケトン体)を優先して使う

 

心筋の細胞はインスリンに反応せず、ブドウ糖をたくさん取り込むと言うことはしない。

 

骨格筋、つまり普通の筋肉の場合はブドウ糖とケトン体の両方を使うが、ブドウ糖とケトン体の両方があればブドウ糖を先に使う仕組みになっている。

 


ダイエット臭の本当の原因は運動不足

脳は糖分(ブドウ糖:グルコース)があれば、優先してブドウ糖を使う。

 

ブドウ糖がなければ脂肪から作ったアセト酢酸をエネルギー源として使う。

 

またアミノ酸の一種のグルタミンも脳関門を通って、脳内でグルタミン酸に変わって消費される。

 

脳内のグルタミン酸は普段はブドウ糖(グルコース)から作られるのだが、ブドウ糖が入ってこなくなるとグルタミンからグルタミン酸を作り、そこからGABA(ギャバ)が合成される。

 

グルタミンは体内で普段からたくさん作られているアミノ酸で、小腸や大腸の粘膜や腎臓のエネルギー源としても使われている。

 

口から食べたグルタミンは、そのほとんどが小腸や大腸で吸収されて、そのまま小腸や大腸のエネルギー源として使われるわけだ。

 

一方、心臓の筋肉は脂肪から作られたケトン体をエネルギー源として使う。

 

身体の筋肉(骨格筋)も血糖値が低ければケトン体をエネルギーにする。

 

筋肉でケトン体が使われると脂肪がドンドン消費されるので、糖質制限した上で運動をするとダイエットが上手く行くというわけだ。

 

しかし糖質制限しても運動しなければ、ケトン体が筋肉で消費されずに、オシッコや呼吸で外に排出される。

 

腎臓にはケトン体を再吸収する仕組みがあるのだが、炭水化物を摂りすぎているとこの仕組みが眠ってしまうので、糖質制限を始めて数週間のうちは尿にアセト酢酸がでてしまうのだ。

 

つまりダイエット臭(ケトン臭 アセトン臭)というのは、ダイエットでエネルギー不足にしたせいで脂肪が分解されるが、十分に運動していないから臭うモノだと言うことらしい。


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