仮性アレルギーとは
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仮性アレルギーとは、少し変わった形のアレルギーだ。
というのもアレルギーになる原因物質がないのに、アレルギーの様な症状が出る。
普通のアレルギーは、花粉やハウスダストのようなアレルギーの原因物質が、身体に入ることで引き起こされる。
花粉症の場合は、すぎ花粉など、特定の花粉が肌や鼻の粘膜にひっついて、それを排除しようとしてクシャミや鼻水が出る。
「なにか有害なモノが入って来た!」ということで、身体の免疫機能が過剰に反応して、アレルギーが起こるわけだ。
ダニやホコリなどのアレルギーも、原因物質があってこそ起こる。
このアレルギーを引き起こす原因物質を「アレルゲン」と呼ぶ。
ところが、不思議なことに、アレルゲンがなくてもアレルギーのような症状が起こる。
このような状態を、仮性アレルギーと呼び、仮性アレルギーを引き起こす物質のことを「仮性アレルゲン」と呼ぶ。
仮性アレルゲンとして代表的な物質が、「ヒスタミン」と「チラミン」だ。
ヒスタミンもチラミンも、花粉やハウスダストなどのアレルゲンではなく、脳や神経に存在する神経伝達物質で、生体アミン(モノアミン類)の一種だ。
生体アミンと言っても耳慣れないが、ドーパミンとかアドレナリン、ノルアドレナリンやセロトニンといった物質なら、聴いたことがあるかも知れない。
ヒスタミンやチラミンは、このドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンの仲間だ。
このヒスタミンやチラミンをたくさん食べ過ぎると、中毒症状のアレルギー症状が出る。
ヒスタミン中毒の場合は、悪心・嘔吐・下痢、舌の腫れ、顔の腫れ、じんま疹、めまい。
チラミン中毒の場合は、発汗、動悸、上腹部痛、頭痛、血圧上昇、悪心・嘔吐などを引き起こす。
これが仮性アレルギーだ。
発酵食品は、仮性アレルゲンが多いので、控えめに
仮性アレルゲンとは、アレルギーのような症状を引き起こす原因物質だ。
ヒスタミンやチラミンという、既に体内にある神経伝達物質が原因になって、アレルギーのような症状が起こる。
というのも、ヒスタミンやチラミンは、食品にも含まれているからだ。
つまりヒスタミンやチラミンを含む食品を食べれば、アレルギーのような症状が起こる。
ただし少し食べたくらいでは、どうってことはない。
と言うのも我々の身体には、モノアミンオキシダーゼ(MAO)という酵素があって、余分なヒスタミンやチラミンを分解してくれるからだ。
しかし大量に食べてしまうと、MAOが足りなくなり、アレルギー症状が起こる。
特に注意が必要なのは、発酵食品と魚介類だ。
痒みを引き起こすヒスタミンは、ヒスチジンというアミノ酸(タンパク質)から細菌によって作られるので、発酵の過程でヒスタミンが増えている。
また魚介類の腸内にも同じ細菌がいるので、鮮度が落ちるとヒスタミンが増える。
さらに我々の腸内にいる細菌も、ヒスタミンを腸の中で作っている。
チラミンについても、同じようなことが起こっているのだ。
仮性アレルゲン 食べ過ぎに注意が必要な食品
ヒスタミンを多く含む食品 | ナス、トマト、ホウレンソウ、エノキ、牛肉、鶏肉、馬肉、イースト、アンチョビ、ドライソーセージ、パルメザンチーズ、ブルーチーズ、赤ワイン、鮮度の悪い青魚:サバ、カツオ、マグロ、イワシなど |
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ヒスチジンを多く含む食品 | 体内でヒスタミンが作られやすい:チーズ、ピーナッツ、アボガドなど |
チラミンを多く含む食品 | チェダーチーズ、赤ワイン、チョコレート、アボガド、バナナ、ナス、トマト、アンチョビ(ニシン酢漬) | その他 | 体内でヒスタミンを生み出しやすい:卵白、イチゴ、トマト、パイナップル、アルコール、チョコレート、エビ・カニ類、 |