日本人が塩辛いモノを好む理由
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日本人は塩分を摂りすぎである。
その理由はいろいろあるだろう。
たとえば日本の水の多くが、軟水(なんすい)であるというのもその一つ。
水には硬度(こうど)という指標があって、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどれくらい含まれているかと言うことで調べる。
計算式を上げるとこうだ。
軟水はどちらかというと「まろやか」な味で、ダシを取ったり洗濯したりするのには適しているが、ミネラル補給源としては向いていない。
となると、当然どこかからミネラルを補わないといけないから、塩分の多い食事を好むと言うことになるらしい。
もっと簡単に言うと、軟水は味がないので、塩や醤油などをたくさん使いがちって事だ。
ミネラル分の少ない軟水は味が薄く、そのために京料理など関西では、江戸時代から安価に手に入った昆布や鰹節、さば節やいりこだしなどをダシとして使うわけなんだろう。
一方、関西に比べて比較的水に硬度が高い関東では塩や醤油をたくさん使うってことかもしれない。
軟水は味が薄いから塩分が多くなる?
日本人が塩分を取りすぎる原因の一つは、飲み水の硬度が少ないことが考えられる。
水の硬度というのは水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどれくらい含まれているかという指標であるが、日本の場合ほとんどが軟水で、平均すると硬度50~60くらいになると言う。
これはヨーロッパ諸国と比べると異常に低い硬度だ。
というのもヨーロッパの多くの都市の飲み水の硬度は200をはるかに超えるからだ。
これはヨーロッパがカルシウム土壌であることに由来するのだが、ミネラルウォーターのエビアンやヴィッテルの硬度はなんと300前後もあるから、それくらいは当たり前なのだろう。
一方、日本で飲み水の硬度が高いのは、沖縄県と千葉県だという。
→都道府県別硬度ランキング(ソフトウオータークラブ)塩分の摂取量が日本一少ないのは沖縄県であるが、実は沖縄の水というのは硬度が比較的高くて、浄水場によっては硬度が200を越えるところもあるようだ。
給水水質の硬度の欄を見ると、硬度が30程度の所もあるがたいていは100を超えているのが見て取れる。
→水道データベース 給水栓水の水質→日本水道協会HP一方、千葉県の方はと言うと、こちらは実は野田醤油の発祥の地で、キッコーマンの本社がある場所である。
こちらは水にミネラルが多いことで、旨い醤油が出来たって事かも知れない。