糖質制限すると、肌が荒れる?
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糖質制限をすると、ケイ素不足になって肌に悪いという話がある。
というのも糖質制限のために炭水化物を抜くと、必然的に穀物を減らすことになり、穀物に多い栄養素が不足しかねないからだ。
穀物の食物繊維に含まれるケイ素などの微量ミネラルは、実は体内で重要な働きをしており、それが不足するのがマズいらしい。
このケイ素というのは、英語で言うと「シリコン」で、簡単に言うと岩石の主成分の一つだ。
岩石にあるケイ素は、二酸化ケイ素の形で存在していて、これを純粋なケイ素にして、パソコンのCPU・MPU用の半導体や、太陽光発電パネルの太陽電池素材として使われている。
シリコンというと、豊胸用のシリコンパッドなど、様々なシリコン製品・シリコングッズも思い浮かぶが、これはケイ素を中心としたシリコケトン (silicoketone) のことで、「シリコーン」と呼ばれる。
シリコンはケイ素そのもの、シリコーンはケイ素の化合物ってことで、ちょっと紛らわしい。
さらにシリカ(silica)は、二酸化ケイ素の意味だから、ホントに紛らわしいね。
さて、ケイ素は、イネやトウモロコシなどのイネ科の植物では必須ミネラルだ。
ケイ素不足になると、稔実障害が発生してトウモロコシの場合、粒に隙間ができたりする。
さらにケイ素不足が深刻だと、生育が遅くなり、さらに茎が弱くなって倒伏して折れ曲がってしまったりする。
ケイ素というのは、植物の細胞壁の材料になるので、これが不足すると細胞壁がモロくなってしまうのだ。
特にイネやトウモロコシの場合は成長が早いので、ケイ素欠乏症があると、茎がヒョロヒョロして、葉っぱも壊死斑が出てきて収穫量が減る。
そのため、稲作ではケイカル(珪酸石灰肥料)という肥料が使われるが、この主成分はケイ酸カルシウムだ。
そしてケイ素が必要なのは植物だけの話ではなく、人間の肌や骨や血管を作っているコラーゲン組織も同様らしい。
ケイ素によって、コラーゲンは束に結われていて、ケイ素不足になるとコラーゲン組織の弾力が無くなってしまうのだという。
ケイ素不足は、コラーゲン組織や関節のムコ多糖体に影響する
ケイ素は、美肌やアトピー性皮膚炎の治療で、近年注目を集めている元素だ。
ケイ素自体は、岩石の主成分の一つで、どこにでもあるような元素の一つなのだが、植物の細胞壁の材料でもある。
なので成長の早いイネやトウモロコシなどのイネ科の植物では、ケイ素欠乏症になると茎がヒョロヒョロになって倒伏したり、実が入らずに稔実障害が起こったりする。
そのため、ケイ酸カルシウムを肥料に必ず使う(ケイカル肥料)。
一方、ケイ素は動物の身体の中でも、重要な役割を担っているらしい。
動物の細胞には細胞壁はないのだが、代わりにコラーゲン組織やムコ多糖体と言った、身体に弾力を与える組織でケイ素が使われている。
つまりケイ素不足になると、コラーゲン組織の弾力が失われたり、関節の軟骨の周辺にあるムコ多糖体が減ったりするらしい。
さらにコラーゲンは、肌だけでなく、骨や血管の材料でもあるため、ケイ素不足で骨が折れやすくなったり、血管が硬く脆くなるリスクもある。
そのため、ケイ素補給は健康にもアンチエイジングにも重要なテーマとして、注目されているのだが、しっかり補給するのが難しい。
というのもケイ素は玄米や大麦、全粒粉小麦などに多いが、白米には少ないのだ。
ジャガイモやバナナにも多く含まれているが、吸収率はあまり良くないらしい。
ヒジキやワカメと言った海藻類にも含まれるが、含有率は低い。
そもそもケイ素は食物繊維に含まれているため、消化吸収されにくいらしい。
かといって、ケイ素源となる食品は他にはないわけだから、糖質制限をする場合、穀物から取れる食物繊維が減る分、他の食物繊維食品を必ず食べるようにするしかない。
水溶性ケイ素や酸に解けたケイ素は吸収されやすいので、調理法も工夫ができそうだ。
因みに米国では、珪藻やスギナなどからシリカのサプリメントが作られて発売されているようだ。