カリウムはサプリメントで摂らない方がよい?
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老後を健康に過ごすには、60兆コある自分の身体の細胞を良好な環境に保っておく必要がある。
そのために必要なのが、細胞を取り巻く細胞外液のイオン濃度を成長に保つと言うこと。
特に日本人はナトリウム(塩分)の取りすぎで、そのせいで細胞に余分な苦労をかけているらしい。
日本人には胃ガンが多いのだけれど、これもWHOから塩分の取りすぎや塩蔵品(漬け物や塩漬け魚)が間接的な原因であろうという指摘がされている。
それでガンの食事療法などでは、徹底的に塩分摂取量を下げ、ナトリウムと拮抗するミネラルであるカリウムをカリウムをたくさん含むバナナなどの果物や、野菜ジュースなどで大量に取ることが勧められているようだ。
ただしカリウムがたくさん必要だからと言って、カリウムのサプリメントをたくさん飲むのはダメらしい。
カリウムのサプリメントはアメリカなどでは普通に売られているがこういうモノを使うというのは解決にならないらしい。
というのもカリウムの血中濃度が急に高まると心臓への影響や腎臓への負担が大きくなるという。
心臓への影響とは、血中のカリウム濃度が上がると、細胞内外の電位差が不足して鼓動がちゃんと打てなくなる。
いわゆる「不整脈」と言うヤツだが、そう言う危険がある。
ということでアメリカのサプリメントでは、カリウム(ポタジウム)の含有量は99mg未満に規制されているし、最近のマルチビタミン剤では10mgとか1mgくらいしか入っていない。
(※昔は99mg入っているのが多かった)
塩分過剰をカリウムで解決するのは本末転倒
塩分の摂りすぎ、塩分過剰をナントカするため、カリウムをたくさん摂ればよいという指導もある。
血中の過剰なカリウムは腎臓から排泄されるため、余分なカリウムがあるとオシッコの量が増えるのだ。
そうすると血中にあるナトリウムも一緒に排泄される。
血中にあるナトリウムとカリウムでは圧倒的にナトリウムの方が多いから、排泄されるカリウムよりナトリウムの方が多くなり、結果的にナトリウム過剰が解消されると言うことだ。
ところがこの方法は、一時しのぎでしかないようだ。
というのもまず、頻尿になると腎臓に負担がかかる。
またカルシウムなどのミネラルも一緒に出ていくことになる。
これはボディービルダーなどの間では常識らしいが、プロテイン(タンパク質)を摂り過ぎると、タンパク質に含まれる含まれる窒素を排泄するためにオシッコの量と回数が増えて腎臓が傷むのだ。
だから塩分過剰・塩分を摂りすぎているからと言って、ナトリウムを排出する効果のあるカリウムを増やすことによって、ナトリウムを減らさずにすまそうとすると、その分、身体の排泄能力を上げなくてはならず、逆に腎臓を酷使するという事になるらしい。
腎臓は消耗品で、鍛えたら強くなるようなものではないので、やっぱり塩分を極力減らすしかないって事だな。