糖尿病でなぜ山ほど合併症が起こるのか
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最近、糖質の害が注目されている。
糖質というと甘いものや炭水化物のことだが、食べ過ぎると体に悪いことが分かってきた。
というのも血液中の糖分濃度が上がると、体中の臓器がジワジワ傷んでいくのだ。
血液中の糖分濃度つまり血糖値が上がると、糖分がタンパク質や脂質と結びついて、糖化反応(とうかはんのう)を起こす。
バーベキューなどで肉に砂糖を含んだ調味料を付けて焼くと、茶色い焦げができるのだが、あれが糖化反応だ。
糖化反応は、ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)が、タンパク質や脂質とランダムに反応する反応で、一部で有害な物質AGEsが出来てしまう。
この有害物質AGEsは、体の中で過酸化水素などの酸化剤を生みだし、その酸化剤が身体のあちこちで様々な細胞を酸化させてしまうのだ。
糖尿病になると糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症などの様々な合併症が起こる。
糖尿病を放置しておくと失明したり、足の指が壊死して切り落とさなければならなくなったりする。
これらはこのAGEsが血液中をぐるぐる回っていることによって、身体のあちこちの毛細血管をダメにした結果だと言うことらしい。
メイラード反応とは、糖分がタンパク質と反応して茶色になる反応
食べ物を焼いたときに出来る茶色い色は、メラノイジンという物質が出来るからだ。
メラノイジンとは、糖分とタンパク質などが結合して出来る褐色の茶色い物質で、これが出来る反応をメイラード反応と呼ぶ。
メイラード反応の例としては、
- 肉を焼いたときに、褐色に色が変わる。
- 玉ねぎを炒めていくと、褐色になる
- デミグラスソース(ブラウンソース)の茶色
- コーヒー豆を焙煎すると焦げ茶色になる
- 黒ビールやチョコレートの色
- 味噌、醤油の色
- パン(トースト)やご飯の「お焦げ」
メイラード反応で出来た茶色い物質は、良い匂いがするモノが多く、食欲をそそる。
ただこのメイラード反応で出来る物質は非常に多く、体に悪いモノもたくさんあるという。
たとえば高温で調理されるポテトチップやビスケットには、アクリルアミドと呼ばれる神経毒・発ガン性物質ができてしまう。
これはブドウ糖と必須アミノ酸のアスパラギンが反応して出来るのだが、高温で調理を行うと、こういう体に悪い物質が色々出来てしまう。
また高温でなくても、ブドウ糖は反応しやすい物質なので、血液中でも身体のあちこちでメイラード反応を起こして、白内障の原因になったり、骨や血管をボロボロにしたりする。
すなわち糖尿病や老化の原因になるわけだ。