塩分は一日1.5グラムでよい?
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塩分の取りすぎを解消するために、カリウムなどのミネラルを増やすというのは、確かに有効な策だろう。
しかし塩分を減らさずにカリウムだけ増やすと、排尿つまりオシッコの量と回数が増えて、その結果、腎臓を痛める事になりかねない。
だから過剰な塩分摂取を解消するために、カリウムを多く含む食品をたくさん摂るのはよいが、塩分の摂取量も極力減らさないと意味がない。
それでも最低限、塩分補給は必要なはず。
じゃあその最低限の塩分補給は、どれくらいあればよいのか?で、塩分の最低必要量は何グラムくらいかと調べてみたらビックリした。
たった1.5グラムだ。
これは厚生労働省が5年ごとに出している「日本人の食事摂取基準」という報告書に掲載されている。
→日本人の食事摂取基準(2010年版)これによると、特に激しい運動をしない成人男性の不可避損失量(何もしないでも排出される量)は、
- アメリカでは5mmol/日、
- イギリスでは3-20mmol/日
だからこの中で一番量の多い20mmolを採用しても、23(ナトリウムの原子量)×20≒460mgとなるので、ちょっと余裕を持って600mgにしとこうという事らしい。
この辺はなんかかなり適当な決め方だけど、これは食塩に換算すると1.5グラムに当たるので、実は汗をかかなければ塩分は1.5グラムで良いって事らしい。
汗をかけば塩分補給が大事?
一日に必要な塩分量は、実はたった1.5グラム。
これはビックリするような話である。
しかもこれって座業で特にたくさん汗をかかない成人男性の場合ってことだから、多くのサラリーマンが該当するハズ。
ただし現在の日本人の塩分摂取量は、男女ともにゆうに10グラムを超えているので、
- 男性9グラム以下
- 女性7.5グラム以下
一方、高血圧に関連して、血圧を上げない塩分量として、3~5グラム/日という数字も上げられているので、激しく汗をかくような生活をしていなければ、塩分は一日3グラム位でも良いらしい。
心不全なんかの食餌制限でも、塩分は2~4グラムに制限されているから、やっぱり塩分は1日3グラム前後あればいいってことか。
ところが塩分制限を奨めているサイトにはよく「過剰な塩分制限は危険」てな事が書いてある。
過剰な塩分制限を続けていると、低ナトリウム血症になるというのだ。
低ナトリウム血症というのは、血液中のナトリウム濃度が下がってしまう症状で、程度が軽い場合は軽度の虚脱感や疲労感、重度になると精神錯乱、頭痛、悪心、食思不振、痙攣、昏睡等が起こるという。
この原因は、下痢、嘔吐、大量の発汗などの体液喪失だというが、これってどうなんだろうね?