レプチンの変化がリバウンドを引き起こす?
更新日:
断食などをしていると、腹がぐーっと鳴る。
この時、胃からはグレリンというホルモンが出て、食欲が湧き、同時に成長ホルモンの分泌も促される。
そして体内にあるタンパク質や脂肪、炭水化物などを動員して身体を作り替える。
よって脂肪は減り筋肉が増えると言うことになる。
一方、モノを食べて脂肪が増えると、脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌される。
レプチンの量は体脂肪の量に比例して分泌され、脳のレセプター(受容体)で感知される。
つまり脳はレプチンの量によって、自分が今、太っているか痩せているかを判断するらしい。
で、レプチンの量が少なければ食欲を増やし、多ければ食欲を減らして痩せようとする。
ところがこれが曲者で、なかなかうまく働かないらしい。
というのもレプチンの濃度が高い状態が続くと、脳はそれに慣れてしまって、それが基準になるらしい。
つまりダイエットして痩せると、レプチンの濃度が下がるので、以前のレプチンの濃度に戻そうとして食欲が湧いてしまうのだ。
脳はあくまで、レプチンの濃度の「変化」に反応するので、レプチンが増えると食欲を落とし、レプチンが減ると食欲を増やすのだ。
これがダイエットに成功しても、必ずリバウンドする理由だということらしい。
炭水化物を減らすと、アディポネクチンが増える
脂肪細胞から分泌されるのはレプチンだけではない。
アディポネクチンというタンパク質も分泌される。
このアディポネクチンというのは、内臓脂肪から分泌されるタンパク質だが、血管内にキズが出来ると、それを修復する働きをする。
なので動脈硬化や高血圧や糖尿病などの治療に大きな期待がされている物質だ。
ところがこのアディポネクチン、内臓脂肪量に逆相関がある。
つまり太って内臓脂肪が肥大すると、アディポネクチンは減ってしまうのだ。
そしてアディポネクチンが減ると、ガンや糖尿病の発症率が上がるという。
太った人は痩せた人と比べてガンや糖尿病の発症率が高いのだが、どうやらアディポネクチンの量に関係があったらしい。
まあ血管の傷を治す物質だから、量が減るとキズが治らず病気が進むって事か。
そして糖質制限を行うとアディポネクチンが増えるという報告もある。
これは81人の太った女性をランダムに二つのグループに分けて、低脂肪食と低炭水化物食を食べてもらって、6ヶ月後と4ヶ月後に調査を行ったものだ。
脂質制限と糖質制限 比較
→Adiponectin Changes in Relation to the Macronutrient Composition of a Weight-Loss Diet- 低脂肪食G: マイナス4.97kg
- 低炭水化物食G: マイナス9.1kg
- 低脂肪食G: マイナス2.62kg
- 低炭水化物食G: マイナス 5.45kg
- 低脂肪食G: プラス0.86mcg/ml
- 低炭水化物食G: プラス1.92mcg/ml(有意水準1%)