ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸とは?
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ケトン食療法で用いられるのが、食べたらすぐにエネルギーになる、「中鎖脂肪酸」という油だ。
中鎖脂肪酸をたくさん含むのが最近話題のココナッツオイルだ。
無添加のココナッツオイルは、その60%が中鎖脂肪酸で、コーヒーなどに溶かして飲むと、腹が減りにくくなって有り難い。
この中鎖脂肪酸というのは、普通の脂肪や油と違って、鎖が短い脂肪酸で吸収されやすい。
しかも普通の脂肪や油と違って、いきなり肝臓でケトン体になるのだ。
普通の脂肪や油と、どう違うのか、コレをまず復習しておこう。
まず学校で習ったとおり、普通の脂肪は、モノグリセリドと(長鎖)脂肪酸に分解される。
そしてリン脂質やコレステロールによって、「ミセル化」されて吸収されやすくする。
そして小腸の細胞に吸収され、そこで脂肪に再合成されたあと、キロミクロン(カイロミクロン)やコレステロールになる。
キロミクロンは、リポタンパク質で、脂肪とタンパク質がひっついた形で、水の中を流れることができる。
キロミクロンやコレステロールは、脂肪をリンパ管や血液中に流すための変化や入れ物だ。
そしてキロミクロンやコレステロールに入った脂肪はリンパ管の胸管を通り、左の鎖骨あたりで静脈に合流し、ここでようやく血管に入って全身に運ばれる。
心臓や筋肉の細胞は、血管を流れている脂肪を取り込んで、それを細胞内のミトコンドリアに運び、ATPというエネルギーを創り出すわけだ。
ココナッツオイルと普通の油は何が違う?
普通の脂肪や油と、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は何が違うのか?まず普通の脂肪や油は、小腸で吸収されたあと、リンパ管を通って静脈に入る。
静脈を通って全身を巡り、心臓や筋肉の細胞に取り込まれる。
余分な脂肪はそのまま血管を巡る。
その間、分解されたり、ミセル化されたり、また脂肪に再合成されたり、キロミクロン(カイロミクロン)になったり、コレステロールに入れられたりと、かなり面倒な過程を経る。
脂肪をたくさん食べると、コレステロール値が(多少)上がるが、コレステロールというのは、この脂肪を運ぶ箱みたいなもんで、それが全身を巡っているわけだ。
ところが、中鎖脂肪酸という油は、こういうややこしい過程を経ずに、いきなり肝臓に送られて分解される。
MCT(中鎖トリグリセリド)から中鎖脂肪酸に分解されると、そのままの形で小腸の細胞に吸収される。
ミセル化も脂肪再合成も、キロミクロン化やコレステロール化もなしだ。
しかも小腸で吸収されたあと、リンパ管ではなく門脈という血管を通って、すぐに肝臓に運ばれていく。
さらに肝臓では、すぐにケトン体に分解され、血液中に放出されるから凄い。
要するに中鎖脂肪酸は、素早く吸収され、血液中をウロウロ流れないで、すぐにエネルギーとして使える形になるのだ。
このケトン体は脳のエネルギー源になるので、糖質制限するのには有り難い。
実際、朝晩にココナッツオイル入りのコーヒーや豆乳などを飲めば、空腹が和らぐことが多いね。
最近は、夜もお湯に溶かして、赤ワインに混ぜて飲んでいるが、翌朝、アセトン臭がして、脂肪が燃えてる感じが味わえる。