胃ガンは食塩の取りすぎが原因?

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食塩の取りすぎは、胃ガンのリスクを高めるという

 

WHO(世界保健機関)は2003年に、『塩と塩漬け食品が恐らく確実に胃ガンのリスクを上げる』という勧告を出している。

 

これは栄養素と疾病の関係を調べるために行った疫学調査の結果、わかったことだという。

 

それによると食塩の摂取量が多い地域では、胃ガンの発生率や死亡率が高いという。

 

日本でも人口10万人当たりの胃ガンの死亡者数を見ると一番少ないのが沖縄県で、多いのが秋田県。

 

2005年から2009年までの5年間の平均を計算すると

  • 沖縄県:7.18人
  • 秋田県:17.12人
なんと秋田県の胃ガン死亡率は、沖縄県の約2.4倍にもなっている。

 

それに対して2008年の食塩の消費量は

  • 沖縄県 1,715グラム
  • 秋田県 4,261グラム
となっていて、こちらも約2.4倍くらい。

 

秋田県はその他にも脳梗塞死亡率や、大腸ガン死亡率でも常に1~2位争いをしていて味噌や醤油の消費量もランキング上位である。

 

だから食塩の消費量と胃ガン死亡率には、なんらかの相関関係がありそうだと推測できるわけである。

 


塩分の取りすぎは、胃ガンの原因ではない。が…

塩分の摂取量が多い地域は、胃ガンの発生率も高い。

 

だから胃ガンの原因が塩分だという説があった。

 

たとえば塩分や塩蔵品の消費量が他県よりかなり多かった秋田県では、脳卒中(脳梗塞)などの成人病・生活習慣病の予防策として減塩運動が盛んになった。

 

この減塩運動は30年間にわたって続けられ、その結果、成人病や生活習慣病の発生率も下がったが、なんと胃ガンの発生率も3分の1くらいに下がったという。

 

なのでもしかしたら食塩の取りすぎが、胃ガンの原因ではないかと疑われたわけである。

 

そこで食塩の摂取量と胃ガンの関係について、いろいろ調査が行われたのだが、都道府県別データで照合してみると、食塩の消費量が多い都道府県では確かに胃ガンの死亡率が高いが、消費量が少ない都道府県でも胃ガンの死亡率が意外と高い。

 

たとえば食塩の消費量が沖縄と共に少ない大阪や兵庫などの関西圏でも、胃ガンによる死亡率はワーストになっているのだ。

 

食塩の消費量と胃ガン死亡率の比較(2008年)
都道府県年間食塩消費量10万人当たり胃ガン死亡者数(2005-2009平均)
沖縄県1,715グラム7.2(ベスト1)
大阪府1,750グラム14.3(ワースト7位前後)
兵庫県1,626グラム13.1(ワースト15位前後)
奈良県1,538グラム13.6(ワースト10位前後)
秋田県4,261グラム17.12(ワースト1)
これをみると、食塩が胃ガンの直接の原因でないことがわかる。

 

ただそれでも食塩の取りすぎは、無視できないわけだが。

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