塩分の取りすぎは、何を引き起こす?

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日本で胃ガンの死亡率が高いのは秋田県。

 

そして食塩の消費量が高いのも秋田県。

 

だから食塩の取りすぎが胃ガンの原因だという疑いがかけられた。

 

ところが食塩の摂取量が少ない地域でも胃ガンの死亡率が高い地域があることで食塩が胃ガンの原因であると言う説は否定された。

 

というのも日本で胃ガンの死亡率が全国で一番低いのが沖縄県で、沖縄県は、食塩の消費量でも一番少ないグループに入る。

 

ところが沖縄と同じ食塩消費量が少ないグループの大阪や兵庫と言った都道府県では、胃ガン死亡率はそんなに低くないのだ

 

食塩消費量の少ない都道府県+秋田県の胃ガン死亡率
都道府県年間食塩消費量10万人当たり胃ガン死亡者数(2005-2009平均)
沖縄県1,715グラム(2008年)7.2(ベスト1)
大阪府1,750グラム14.3(ワースト7位前後)
兵庫県1,626グラム13.1(ワースト15位前後)
奈良県1,538グラム13.6(ワースト10位前後)
秋田県4,261グラム17.12(ワースト1)
これをみると大阪など、沖縄と同じくらいの食塩消費量であるにもかかわらず、胃ガンによる10万人あたり死亡者数は沖縄の2倍になっている。

 

つまり食塩消費量が少なくても、胃ガンで死ぬリスクはあまり下がらないらしい。

 

逆に、食塩の消費量が多くても、胃ガンの死亡率が低い都道府県もある。

 

長野県や岩手県は、食塩の消費量ランキングでは上位だが、胃ガンの死亡率はベスト4とベスト11という風に、胃ガンが少ない都道府県になっているのだ。

 


塩分過剰は、胃ガンの主因ではなく誘因

食塩の消費量と胃ガンの関係は、色んなデータで分析してみた研究があるのだが、実はハッキリした強い相関関係があるわけではないらしい。

 

というのも実は、ガンと食塩に関しては、世界的に同様な調査が行われているのだが、相関関係が強く出る地域と、相関関係が全然出ない地域があるのだ。

 

塩分の取りすぎが胃ガンの主因であれば、こういう事は起こらないはずである。

 

なぜならば塩分が主因(イニシエーター)であれば、塩分が多ければ胃ガンの発生率が高まり、塩分が少なくなれば胃ガンの発生率が下がるという形になるはずだからである。

 

病原菌がたくさんあれば、その病気にかかる確率は上がるし、病原菌が少なければ、その病気にかかる確率は下がる。

 

理屈としてはそうなるはずだからである。

 

ところが世界中で胃ガンと塩分の相関関係を調べると、強い相関関係を示す地域と、示さない地域があって、どうやら塩分は胃ガンの直接の原因ではないらしい。

 

日本でも食塩の消費量ランキングトップ5と胃ガンの死亡率ランキングを表にしてみると、ちょっと変な感じになっている。

 

都道府県年間食塩消費量10万人当たり胃ガン死亡者数(2005-2009平均)
青森県(1位)4,571グラム(2008年)14.9(ワースト3)
山形県(2位)4,298グラム14.7(ワースト4)
秋田県(3位)4,261グラム17.12(ワースト1)
長野県(4位)3,681グラム9.5(ベスト4
岩手県(5位)3,511グラム11.8(ベスト11
新潟県(6位)3,183グラム15.3(ワースト2)
この表を見ると食塩の消費量が多くても、長野県や岩手県では胃ガンの死亡率が他県より全然低い。

 

なので塩分の取りすぎは、胃を荒らしやすくして、胃ガンを促成するプロモーターとして働くと考えられるわけだ。

 

なお胃ガンと食物の相関関係については、相関関係の一覧表を作ってみたので、そちらを見てください。

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