カリウムは、ナトリウムの排泄を助ける
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雑穀ご飯に含まれるミネラルの健康効果のつづきだ。
まずはカリウム。
カリウムを含んでいない野菜や穀類はないと言って良い。
というのも農作物を育てる肥料にカリウムが使われるからだ。
農作物の三大肥料は、窒素・リン酸・カリの三つで、これらは植物の生育に必要な栄養分だからである。
カリウムは、ナトリウムと拮抗するミネラルで、カリウムを十分取っていると、余分なナトリウムが排泄される。
ナトリウムというのは、人間が生きていくのに絶対必要なミネラルなんだけれど、血圧を上げる働きがあって、多すぎても困る。
なので細胞には余分なナトリウムを細胞外に排泄するための『ナトリウムポンプ』があり、カリウムとナトリウムがバランス良くなるよう働いているのだ。
また心臓の鼓動を正常に保つにもカリウムが必要だ。
だがしかし、カリウムはら余分は尿を使ってどんどん排泄されるので、体内に貯めておくことができない。
なので健康を保つには、野菜や穀類から毎日カリウムをとり続ける必要がある。
推奨される一日のカリウム摂取量は、3.5グラムだ。
鉄分は、過剰摂取に注意
雑穀には、鉄分も多い。
鉄は血液中のヘモグロビン中のミネラルで、鉄が不足すると血液中のヘモグロビンの数が減って貧血を起こしやすくなる。
ヘモグロビンは酸素を取り込んで全身に酸素を送る働きがあるので、これが不足すると生活にも支障が出る。
他にも鉄は体内で様々な化学反応に関係していることが分かっており、不足するとこれらの反応も阻害される。
鉄を摂るには、鉄不足の状態では、まず動物性の食品で摂ることが奨められる。
鉄分を多く含む食品はレバーや肉、卵、赤身の魚、葉菜類、ごまなどだが、動物性食品と植物性食品では、吸収率がかなり違うミネラルなのだ。
動物性食品での鉄分吸収効率は20%もあるが、ほうれん草などからは2%程度しか吸収されない。
ただし鉄を過剰摂取すると過剰症がでる。
なので医者から処方されない限り、サプリメントでは摂らない方が良い。
そのためにアメリカ製マルチビタミン剤には、アイアン・フリー(鉄分が入っていない)タイプもあるくらいだから。
その点、雑穀に含まれる鉄分は、過剰摂取が起こりにくい。
ビタミンCが多く含まれる食品と一緒に食べると、適度に吸収率が上がるので、野菜を一緒に食べればよい。