食物繊維は、健康に必要な「栄養素」
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雑穀を食べると、食物繊維もたくさん摂ることができる。
精白した白米では、なかなか食物繊維は摂れないが、玄米や雑穀の場合は、かなり食物繊維が摂れる。
食物繊維というのは、食物に含まれる消化されない部分や、殆ど消化されない成分のことである。
たいていは、固い細胞壁を持つ植物や菌類、それから多糖類(セルロースなど)のことだ。
食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維SDFと水に溶けない不溶性食物繊維IDFに分けられる。
SDFは果物や海藻類、寒天、こんにゃくなどに多く含まれている。
SDFは、血糖値の急上昇を防ぎ、食べたモノをゆっくり吸収させる働きがある。
また肥満や成人病に問題のあるコレステロールの吸収を抑えて中性脂肪値を下げる助けになる。
IDFは、野菜や豆類、玄米、えび、かになどに含まれていて、大腸の作用して腸を整える作用がある。
そのため便秘予防などに良くく、インドールなどの毒素の吸収を減らし肌荒れ、吹き出物なども改善する。
大腸がん予防効果もあるとされているが、ある一定量さえ食べれば良く、たくさん食べたからと言ってリスクが大きく減るわけではないという。
食物繊維は、どうやってとればいい?
この食物繊維、永らく「何の役にも立たない」とされてきた。
というのも食物繊維があると、他の栄養素の吸収率が落ちるからだ。
栄養学的には、食べた食品の栄養素がどれだけ吸収されるかが大きな課題だった。
だから吸収率を下げる食物繊維は邪魔な存在でしかなく、研究対象になかなかならなかったのだ。
ところが腸内細菌(フローラ)の研究によって便秘などの健康に与える害が意外に大きいことが分かってきた。
ヨーロッパ人とアフリカ原住民の食習慣と疾病の疫学調査によって、食物繊維が様々な疾病予防に役立っていることが次第に分かってきたのだ。
さて、食物繊維はどれくらい摂れば、いいのだろうか。
1日に必要な食物繊維の目安は、若い男性で27グラム、年配の男性で25グラムくらい。
女性は20グラム程度とされている。
一方、現代人の食生活では、食物繊維は7~10グラム程度不足していると言われている。
なので、白飯を雑穀ご飯にするだけでも、かなり改善できる。
豆類や果物、海藻には食物繊維が多いので、さらに大豆や小豆、バナナや海藻などを併せて食べれば必要量はクリアできる。